フィアットの電気系統は電圧低下で不具合が発生することが多く始動時のセルモーターの動作には問題ない場合でもバッテリーの老化が進んでいることもあります。定期的な交換をすることで不具合を未然に防げます。国産車にくらべて早めの交換をお勧めしています。
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自身での作業のリスク
バッテリー交換ではショートやバッテリーの落下のリスクがあるため自信の無い方は修理工場での交換してもらったほうが良いでしょう。ご自身で作業する場合は手順を十分理解した上でおこなってください。まれに車体コンピュータにエラーが入る場合があり何かしらの不具合が発生した場合にはイグニッションスイッチ(キー)のON-OFF-ONをおこない、それでも不具合が解消されない場合には整備工場でみてもらったほうが良いでしょう。説明不足等による事故や故障や怪我等が起きても弊社は責任を負いかねます。
電圧低下での不具合について
バッテリー老化時のセルモーター使用時やオルタネーター故障時に電圧が規定値以下になると車体コンピュータは故障として判断します。瞬間的な電圧低下でコンピュータが誤作動し様々な故障や不具合を発生させることがあります。
準備
- 13mmソケットレンチ・エクステンションバー
- 10mmミニソケットレンチ
- マイナスドライバー
- 必要に応じてラジオのチューニングメモリーを記録しておく
作業
1.イグニッションスイッチをOFFにする(キーを抜く)
2.ボンネットを開けバッテリーのマイナスケーブルを外す マイナス側が先【重要】
3.解除ボタンを押しながら引き抜く
4.10mmソケットレンチでバッテリーセンサー/マイナスターミナルを取り外す
バッテリーセンサーに付いている細いケーブルに注意
5.10mmソケットレンチでプラスターミナルを取り外す。な、な、なんと工具が入らない・・・ナットが狭いところにある
ナットの位置
一般的な3/8のソケットレンチ(ラチェットハンドル)は入らない
メガネレンチも入らない
このサイズのソケットレンチなら緩められる
アストロプロダクツの1/4フレックスミニラチェットハンドルと10mmソケット
6.バッテリーを固定している金具(バンド)をエクステンションバーをつけた13mmソケットレンチで外す ナットを落とさないよう注意
バッテリーを載せ替える【落下に注意】
専用ハンドルがあると安全にできる
フィアットのバッテリーの固定は金具とバンドで固定されています。下の縁の出っ張りを固定させているので適合外のバッテリーを取り付けると金具またはバンドが合わなくなりますので必ず適合品を取り付けてください。
バッテートレーにバッテリーがきちんと乗っていないとナットの締め付けできない
7.ターミナルの隙間をマイナスドライバーで広げてからナットを締め付ける プラス側は必ず隙間を開けてからターミナルの奥にぶつかるまで押し付けナットを締める【重要】
マイナス側も念のために
※取り付け後は手でプラス・マイナスの端子に力をかけてみて動かないことを確認する【重要】
緩んでいるとターミナルがスパークし故障や事故の原因になります【重要】
8.マイナスケーブルを差し込む 赤いターミナルカバーを取り付けて作業は完了
9.イグニッションスイッチをONにし異常が無いか確認しエンジンを始動してから再度異常が無いか確認する
10.時計、ラジオ等の設定する
11.集中ドアロックの再設定。ドア、テールゲートを閉じ鍵穴や室内のドアロック、リモコンキーの操作でロックをし、再びロックを解除します。テールゲートのオープナースイッチでテールゲートが開けば再設定は終わります。
まとめ
- バッテリーのプラスターミナルのナットの向きは生産時期によって違う可能性もあるので工具を揃える前に事前に確認が必要。
- バッテリー交換はオイル交換に続くサンデーメカニックが行うような作業だが、少しでも作業に自信がなかったり、工具が揃わなかったら作業をおこなわない。何とかなると言う勢いだけですすめると故障やケガの元。
- 交換作業はショートやターミナルの締め付け不足を十分注意と確認すること。
- バッテリーを載せ変えるときには落下に注意し新しいバッテリーがバッテリートレーにきちんと乗っているか確認する。
- ボンネットを締める前にはエンジンルームに工具等の忘れ物が無いかもう一度確認する。
- バッテリーターミナルは次回の作業のためにボルトの向きを反対向きにしナットをバッテリー側に向けておく方法もあり。
- チンクエチェント(500)も基本的に交換作業は同じなので注意事項を守って作業してください。
ナットの向きが右側になっている
スタート&ストップシステム
バッテリーを交換すると(電源がなくなると)バッテリー性能のキャリブレーション(較正)を始めます。4時間以上のキーオフ後エンジンスタートでキャリブレーションは終了します。詳細は別のブログで説明しているのでこちらも見てみてください。
(WEB担当スタッフ)