ドッコオートテクニカ 店長 小竹治郎
私が自動車の免許を取得したころ、若者はスポーツカーに乗り、街中には高出力で高額な車が走りまわっていました。私もそんな車に憧れ、安い車を購入してはエンジンをバラし毎晩のように走りまわっていました。
しかし若者の事故死の増加が問題視され交通法が厳しくなり、次第にスポーツカーが姿を消していきました。その後オーディオやスポコン(アメリカの流行りのスポーツコンパクトの略)も流行しましたが定着はしませんでした。
バブル後デフレの影響で車を購入する若者が減り、免許を持つ人も減っていきました。大企業では自動車業界の将来を見据えCM等で免許を取ろうとアピールしている始末です。実際FIATのお客様層も30~40代がメインになってきています。
2007年にFIAT500がモデルチェンジされ、翌年には日本でも販売。それが爆発的なヒットとなりました。今までイタリア車に興味が無かった人たちが500に乗り出したのです。
ヨーロッパ車は壊れやすいと聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
私は国産ディーラーのメカニックを経験した中でそんな話をよく耳にしました。ほどなくイタリア・フランス車のディーラーの門を叩きました、それは私のメカニックとしての挑戦でした。実際に国産車ディーラーでは体験できないような高度な修理をいくつも体験することができ、良い勉強だったと思います。
その中で自分自身のヨーロッパ車に対する気持ちが変わってきました。修理の面だけではなくボディーのデザインやロードテストでの走行フィーリングなど、次第にイタリア車の魅力にはまってきたのです。
最近のFIATを含むヨーロッパ車は20年前に比べると格段に品質が良くなってきました。そしてFIATオーナーも幅広い層へと変わってきています、車もファッションの一つとして選ぶ時代なのかもしれません。