500eの空調について

電気自動車の500eの記事は初めてになります。
フィアット500eは去年4月に国内販売されることが発表されました。正規輸入の500eはリースのみと言う販売形式に決まりました。そして6月に販売開始されると同時にドッコオートテクニカでは「500e アイコン セレスティアンブルー」を注文しました。そして11月に納車されました。

 

従来のエンジン自動車はエンジンの排熱を使ったヒーターと冷媒を使ったエアコンの組み合わせによる空調で車内を快適な空間にしています。しかし電気自動車はエンジンの熱源が無いため何かしらヒーターを付ける必要ができてきます。そしてヒーターを使うことによって電力を消費し走行可能距離に影響してしまうため各メーカーでは技術開発にしのぎを削っています。

▼ボンネット内にはインバーターとモーターがある

電気自動車の暖房方式では、燃焼式ヒーター、PTCヒーター、ヒートポンプエアコン等があります。燃焼式ヒーターは灯油等を燃やす石油ファンヒーターの様なもの、PTCヒーターはセラミック(電気)ヒーターの様なもの、ヒートポンプ式エアコンとは家庭用エアコンの様なものになります。最近の電気自動車は消費電力の少ないヒートポンプ式が主流になりつつありバッテリーやモーターなどの熱源を有効に使うよう工夫しています。

500eの空調はPTCヒーターと一般的な自動車用エアコンになります。
PTCヒーターはすぐに温風が出ますが消費電力は多めです。電気自動車は電気を有効に使用するためにシートヒーターやステアリングヒーターで直接体を温める装備が付いている事が多く500eにもシートヒーターのみが標準装備されています。500eの空調(ファンモーターを除く)は床下の高電圧バッテリーから供給していてシートヒーターは車内機器用の12Vバッテリーから供給されています。

▼機器冷却用のラジエーター

 

外気温1度で暖房テストをしました。
設定はオートの21度(A/Cオン)、外気導入、シートヒーターオンで10分ぐらいで快適温度になりました。ちなみに電気自動車では設定温度が21度ぐらいがちょうど良いようです。

上記の設定で消費電力は3kW消費電力は多めです。そのため節電に少し工夫が必要です。
空調のファンスピードを下げ、A/Cオフ(内気循環)にすると1kWになり1/3の電力で済みました。ファンスピードを下げたので少し寒くなるかもしれません。またA/Cオフなので室内が曇ってきたら適宜調整する必要があります。

▼オート設定(3kW)

▼マニュアル設定(1kW)

消費電力が1kWになったので500eのバッテリー容量が42kWなので万が一雪の中で立ち往生しても充電量に余裕があれば24時間ぐらいは耐えられるでしょう(テストしていませんが…)。もちろんエンジンをかけていないので一酸化炭素中毒にもなりません。

電気自動車は常にバッテリーの事を意識しながら走行する必要があります。特にバッテリー容量の小さい500eは満充電で250kmしか走らなくヒーターを使えばさらに距離は縮まり遠距離ドライブ時は充電残量と航続可能距離とのにらめっこです。何だか携帯電話の初期の頃の様ですね。

最後にこれはどうにかしてもらいたいのですが、500eの電源を入れるとデイライト又はヘッドライトが点灯してしまいます。立ち往生で暖房のみをつけていてもライトを消すことができないのでこれは無駄な電気を使っていることと周りに迷惑をかけてしまいます。

参考:
電化製品の消費電力(1kW=1000W)
家庭用エアコン:2.2kW〜4.0kW
小型セラミックヒーター:1.2kW
ヘアードライヤー:1kW
(自動車用エアコン:4kW相当)

(WEB担当スタッフ)

おすすめ記事