フィアット500のプロジェクター式ヘッドライトのうんちく

チンクエチェントのヘッドライトはマイナーチェンジ前と後ともに2種類あります。

前期はハロゲンのリフレクター式とキセノン(HID)のプロジェクター式の2種類、

後期はハロゲンのプロジェクター式と前期と同じキセノンのプロジェクター式の2種類です。

▼おなじみの前期型H7ハロゲンのヘッドライト

▼前期型、後期型のラウンジなどに採用されているキセノンのプロジェクターヘッドライト

▼後期型に採用された逆三角形の輪郭があるH7ハロゲンのプロジェクターヘッドライト

 

この種類があるのには意味があり、国連欧州経済員会、多国間協定の自動車規格(UN/ECE Vehicle Regulation)が関係しています。

この自動車規格のECEには126項目あり、加盟国はこれらの規定を任意に採用し相互で認証しあっています。日本では40項目採用しています。

部品の適合が取れ許可されると、Eと認証を付与した国番号が付けられます。

▼チンクにはランプにはイタリアのE3が付いていました。

フィアットでも部品によっては他の国で付与されたようで違う番号が存在しました。

▼プントエヴォのテールランプでみつけたスペインのE9

ちなみに日本では通称マルEと呼び、国番号は43になります。

 

 

話は戻って、チンクエチェントの前期から現在まで継続して採用されているキセノン式プロジェクター式ヘッドライトの話題。

 

ECE126項目のうちのヘッドライトにかかわるレギュレーションはいくつかあり、今回の話題はECE48 、ランプ、シグナルの取り付けに関する規格です。

 

この規格には膨大な規則が書かれていて、そのなかに、「2,000ルーメンを超える光源又はLEDモジュールを備えた下向き前照灯は、ヘッドライトウォッシャーとオートレベリング機能を搭載しなくてはならない。」(大まかな解釈です)との事です。

と言う事で、チンクエチェントのキセノン式プロジェクターヘッドライトではヘッドライトウォッシャーとオートレベリング機能が装備されています。

 

チンクエチェントのヘッドライト点灯時にウィンドウォッシャーを噴射するとヘッドライトからもウォッシャー液が噴射します。

▼目じりのメッキ部から噴射する様子

ハロゲンより圧倒的に明るいキセノンやLEDでは、ヘッドライトに雪などが付着するとグレア(まぶしさ)が増えるためヘッドライトウォッシャーで取り除きます。また、乗車人数や積載量が増えるとライト上向きになってしまうため、エンジンキーをONにした時にサスペンションの沈み込み量を測りライトの高さを調整しています。

いつのころから、ヘッドライトワイパーが無くなりヘッドライトウォッシャーに変わったのは、ヘッドランプの表面の素材がガラスから樹脂に変わったからです。これもヘッドランプ・クリーナーの規格ECE45で定められています。

もちろん、オートレベリングやヘッドライトウォッシャーは光源がキセノンやLEDの時に必須なだけで、個別で搭載はできます。

 

よって、キセノンランプを搭載するとヘッドライト以外にもコストが多くかかるため廉価モデルにハロゲンタイプが搭載されています。

▼リフレクター式にキセノン(HID)が装着されているチンクエチェントも多く見かけますが、これは日本国内のオプションで取り付けているのでECEの規格外になります。

 

 

キセノン式プロジェクターヘッドライトが装着されているチンクエチェントのサスペンションにはセンサーが取り付けてあります。

▼左ロワアームに付いているレベルセンサー

▼リアサスペンションについているレベルセンサー

▼ヘッドライトウォッシャーの動作の様子

▼オートレベライザーの動作の様子

 

アメリカはUNECEの相互認証を取らず、自己認証制度を採用し独自路線を進んでいます。

独自の保安部品が存在するから、US仕様と称しUSDMのカスタムが存在するのでしょうね。

 

(技術担当スタッフ)

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