チャイルドシートメーカーの調査員が新型チャイルドシートが取り付けられるか調べる為に来ました。
チャイルドシートメーカーでは新型のシートが発売されるたび、新型車が出るたびに取り付けられるか調査しているようです。調べるのも膨大な車種があるので、協力者(車)を探すのも大変なようで、レア車の場合、街で運転手を捕まえてお願いする事もあるそうです。
今回の取付調査対象はレア車のムルティプラです。
チャイルドシートの取り付けは、この赤い丸のところにあるロアアンカレッジに取り付けるタイプです。
▼この金具にチャイルドシートを引っ掛けて取り付けます。
▼金具に引っ掛けるだけなので1分もかからず取り付けが終わりました。
このチャイルドシートはレッグサポート(前方回転の制御)が無いタイプらしく、チャイルドシートが前に転がらないようチャイルドシートの上部からベルト(テザーベルト)が伸び自動車側のヘッドレスト側フック(トップテザーアンカレッジ)に取り付ける必要があります。
結果、ムルティプラの後部座席の背面にはシート持ち運び用の持ち手があるだけで、トップテザーアンカレッジが無かったためこのチャイルドシートは取り付けが出来ませんでした。
従来のチャイルドシートの取り付け方法ではシートベルトで固定していたので、ぐらつかないよう時間をかけて取り付ける必要があります。
現在はUNIVERSAL ISOFIX(ユニバーサル イソ(アイソ)フィックス)(ECE-R44/04)の国際標準基準に基づいたチャイルドシートが販売されています。
ムルティプラ以外の車種も調べてみるとチンクエチェント、パンダ3、グランデプントにはアンカレッジ(固定部)が3ヶ所ありましたが、パンダ2にはムルティプラ同様トップテザーアンカレッジはありませんでした。
▼パンダ3のリアシートにあるISOFIX
▼シートの間に隠れているロアアンカレッジ
ヨーロッパの自動車シートの安全基準ECE-R14は2007年に改訂され、トップテザーアンカレッジに関する規定が追加されました。
2005年から生産されているグランデプントは、この規定を見越して装着されたと思われます。
▼パンダ3のトップテザーアンカレッジ
自動車(特にヨーロッパ車)ではいち早く基準を満たすよう生産されます。チャイルドシートは日本でも2012年7月以降の販売は義務化されました。しかし、未だ中古市場などで基準に満たさないシートも出回っているのでなかなか浸透していないようです。
このISOFIXが普及すれば、チャイルドシートの取り付けも短時間かつ安全に取り付けるとこが出来る事でしょう。
ちなみに、チャイルドシートは後席に取り付けましょう。やむを得ず前席に取り付ける場合にはチャイルドシートの取扱説明書に従って取り付け、助手席エアバッグをオフにしてください。
(技術担当スタッフ)