この記事を書いている現在のチンクエチェンント(フィアット500)のカタログの変速比は以下の通りです。
今回この記事を書くことになったきっかけはチンクの修理でした。
トランスミッションのメインシャフトのベアリングが破損しシャフトブレでミッションオイル漏れが起きていました。この為中古のトランスミッションと交換することになりました。
▼メインシャフトからミッションオイル漏れを起こしたクラッチハウジング内の様子
▼トランスミッション側のメインシャフト
▼ベアリングのボールを支持するリテイナーが無くなりボールが寄ってしまっている
▼トランスミッション内の鉄粉を集めるマグネットにリテイナーの一部が集まっていた
話は戻り、
適合するトランスミッションを調べていくうちに変速比がある時期から変更になっていました。
変更になったのは2速ギアです。
中古車情報サイトのカタログを見てみると、2014年4月以前のモデルにはツインエアと1.2の2速ギアの変速比が2.158になっています。
2014年4月以前の2速の変速比が2.158の駆動ギアの歯数は19枚、従動ギアの歯数は41枚。
2014年4月以降の2速の変速比が2.174の駆動ギアの歯数は23枚、従動ギアの歯数は50枚でした。
▼2014年4月以前の500の変速比は以下の通り
排気量によって変速比や最終減速比が変わってきているのは当然ですね。
面白いことに2速だけは排気量によっても変えていませんね。なぜでしょう。
2速ギアにはデュアロジッククラッチ回転数を読み取っているセンサーが関係するかもしれません。
生産台数からみてデュアロジック車の割合はマニュアル車より圧倒的に少ないため、この為に2速を全車共通するのもどうかと思いますが真実はわかりません。
ともあれ、トランスミッションの載せ替えを行う場合には変速比の違うタイプを取り付けてしまうと、誤った回転数を読み取ってしまいデュアロジックのECUは混乱してしまうので注意が必要です。
実際の変速比の変更は車体番号で区分けしているので、車検証の年式やスタート&ストップ付きか否かで判断するべきでは無いと思われます。
▼ギアの名称(1速は左側に隠れている)
(技術担当スタッフ)