ムルティプラの1速のギアの入りが悪いとの事で修理する事になりました。
最悪の状況はミッションを下してギア等の交換が必要になり、高額の修理費になってしまいます。
さっそくミッションオイルの点検です。
通常ミッションオイルはエンジンオイルと違ってエンジンの高熱にさらされるなどの過酷な環境では無く、ギアボックス内のギアの潤滑油として使われているので、エンジンオイルのように頻繁に交換する必要がありません。しかし、オイルの量や質によっては、回転するギアがスムーズに動かなくなったりして故障等のトラブルの元になってきます。
ミッションオイルの点検するには点検口が無いのでドレンボルトを外しオイルを抜いて確認するしかありません。また異常が無い場合には抜いたオイル又は新しいオイルを入れるしかありません。
ミッションオイルのドレンはミッションの下にあります。
ボルトを外してオイルを抜いてみると、マヨネーズ状のどろどろの状態でした。
オイルがどろどろの状態になるには、水等オイル以外の物質が混ざった事による乳化(エマルション)があります。
乳化とは、通常混じり合わないもの(油と水等)が混ざった状態で、混ざらないものを混ぜる物質を食品では乳化剤、洗剤では界面活性剤、化粧品では乳液等と呼んでいます。ガソリンタンクの水抜き剤もガソリンと水を混ぜる物質が入っています。
エンジンオイルの場合にはラジエーターの水が混ざって乳化する事がありますが、ミッションオイルの場合にはラジエーターの水が混ざる事はありません。
▼抜いているミッションオイル(透明感がない)
▼粘度が高い(硬い)
▼マヨネーズ状のミッションオイル
このムルティプラは、ミッションオイルを交換する事でギアの入りが悪かったのは解消されました。ミッションオイルが原因だったようです。
先ほども触れましたが、ミッション内に水が浸入する可能性は低いので、ミッションに添加剤を入れたり、ムルティプラの場合、ドライブシャフトのブーツ内にグリスを入れてしまったなどが考えられます。
今回はこのようにミッションオイルが乳化してしまった原因がはっきりする事が出来なかった為、オイル交換で様子をみる事にしました。
今回の様にギアの不具合がミッションオイルの場合があります。
デュアロジック車ではギアの入りが悪いとミッションエラーで走行不可になる事があります。
ミッション内の結露等で老化したり、変速時のギア鳴りで鉄粉も出ます。ギアチェンジ等に違和感を感じたら点検をお勧めします。
(WEB担当スタッフ)