電動パワーステアリングのキャリブレーション(校正)

最近のフィアットのステアリングは電動でアシストしています。
フィアットの電動パワーステアリングの仕組み

電動パワーステアリングの仕組みは、電動モータのほかにハンドルの角度を読み取るアングルセンサーとハンドルにかかる力を読み取るトルクセンサー、それらを統括しているコントロールユニットで構成されていて、ハンドルコラム奥に装着されています。

▼パンダの電動パワーステアリングユニット

同じハンドル操作でもアスファルトと氷上、走行中と停車中ではタイヤの接地抵抗が大きく変わってくるためパワーステアリングのアシスト量は変わってきます。このハンドル操作の抵抗をトルクセンサーで検知しています。フィアットの電動パワーステアリングのトルクセンサーはハンドルからタイヤにつなぐシャフトの途中が±8度ねじれるようになっていてそこにトルクセンサーが仕組まれています。

このトルクセンサーで検知した量を電動モーターを使ってアシストしています。アシストにはものすごい力が必要で、電動モーターには最大80Aの電流がかかるため、エンジン始動時にしかアシストしなようになっています。オルタネータが故障すると発電しなくなりパワーステアリングがきかなくなるのもこのためです。

ハンドルの角度を読み取るアングルセンサーで検知した角度は、パワーステアリングの機構以外にもABSの機能にあるASRなどのスリップ防止機能にも使用されています。グランデプントやパンダ2にはASR付きと無しのタイプがあるため、電動パワーステアリングユニットに種類があり中古部品と交換する場合には注意が必要です。

このように電動パワーステアリングは複雑なシステムのもとで機能しハンドル操作をアシストしています。

▼ステアリングブロックダイヤグラム

電動パワーステアリングのコントロールユニットを正しく動作させるためには、キャリブレーション(校正)が必要です。

通常キャリブレーションは必要ありません。しかし、ステアリングを修理した時や、サスペンションを交換したときにはキャリブレーションが必要になってきます。

また、車検時に検査するサイドスリップ(前輪の横滑り)を調整した場合やタイヤサイズを大幅に変更した場合にはテスターで診断した方がよいでしょう。

▼サイドスリップ検査

▼フィアット500のステアリング

ステアリングセンサーの値がずれている状態で走り続けると、常にステアリングモーター働き続け、場合によってはモーターやコントロールユニットが故障したり、ASR(スリップ防止)機能がうまく働かずスリップが起きたりするかもしれません。

 

ハンドルから手を離すとわずかに片側にそれたり、ステアリングやサスペンションの修理や変更をしたことがある方は調べてもらった方がよいかもしれません。

 

 

今や自動車にコンピュータは無くてはならない存在です。目に見える機械的な故障以外はテスターに頼ざるを得ない状態です。車体には衝突防止センサーが取り付けられ、それらを交換した場合には大掛かりなテスターも必要になってきます。近い将来、自動車の動力は現在のハイブリッドから全て電気に変わり、自動運転も一般的になるでことしょう。その時には従来の自動車整備士よりも電気やコンピュータの技術者が車を修理する時代になっているかもしれません。

(WEB担当スタッフ)

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