デュアロジックのクラッチの動きはどうなっている?

デュアロジックのクラッチの動きはどうなっているのでしょうか?

オートマチック車ではありながら、デュアロジックはマニュアルミッション用の自動変速装置です。
なので、ギアチェンジはもちろんクラッチの操作も自動で行ってくれます。
走行時は人が操作しているようにクラッチを切ってギアを変えてクラッチをつないでいます。

普通のオーナーはここまで知る必要は無いし、興味も無いかもしれません。
しかしデュアロジックオーナーにこの部分を知ってもらってデュアロジックを乗りこなしてもらいたく、この部分を解説したいと思います。

 

まずは、走行時はこの様な動きをしています。

グラフはスキャンツールで読みとったデータです。
横軸は時間で、チンクエチェントは約1.9秒ごとにデータが上がってきます。

走行時

551.0秒でアクセルを踏みます。
それと同時にデュアロジックはクラッチをつなぎ556.7秒にクラッチ回転もエンジン回転と同じになります。そしてアクセルを開け続けているとクラッチを切りシフトチェンジをします。
シフトチェンジの時にクラッチ回転が落ちていないですが、実際にはクラッチトルクも測定していてシフト操作をしています。
583.4秒でアクセルを離しブレーキをかけて604.3秒にクラッチ回転数が0rpmになり停車します。
シフトダウンはクラッチを切るより先にシフトチェンジをしていますね。

 

では、エンジンが止まっている時やエンジン始動時などではクラッチはどうなっているのでしょうか?

スキャンデータ_ギアボックス始動時

エンジン始動前
・クラッチ:接(グリーン)
・ギア:1速(ピンク)
・エンジン回転数:0rpm(レッド)
・クラッチ回転数:0rpm(オレンジ)

15.2秒の時にキーを回します。
デュアロジックはクラッチを瞬時に切り、ギアを動かします。

17.1秒の時にはギアがニュートラルになり、セルモーターが回り出します。
この時にはクラッチは完全に切れていません。

19.0秒の時にエンジン回転数は1400rpmに上がります。(エンジン冷間時なので回転が高いです)
この時もクラッチは完全に切れていないので、クラッチ回転も650rpmまで上がりますが、20.9秒の時にはクラッチが完全に切れるので、クラッチ回転は0rpmに落ちます。

このグラフからわかるように、エンジン始動時は瞬時にクラッチを切りギアをニュートラルに切換えセルモーターを回転させていますね。この瞬間にギアが抜けないとデュアロジックエラーが発生します。

ギアがニュートラルになっていますが、走りださない為の安全策なのでしょうか?クラッチは切りっぱなしです。
キーを回してセルモーターが回りエンジンが掛かるまでの間にこの様な動作をしているなんてすごいですね。この遅れた動作はもっと短い気がするのでデータ転送の関係でしょうか?

 

そして、クラッチ保護の為?ニュートラルで無操作で10分たつとクラッチをつなぎます。

デュアロジック10分後
最後の操作から600秒後にクラッチをつなげるので、クラッチ回転は0rpmから700rpmに上がりました。

 

グラフをよく見るとクラッチの移動量の数値が mm になっていますが、少数点第2位まで表示されています。
このわずかな移動も読みとってデュアロジックはクラッチを操作していて、セルフ調整機能が付いているとはいえ、クラッチが減ってくれば調整(キャリブレーション)が必要な事が分かります。

このように、スキャンツールではデュアロジックのエラーの記録以外にもギアのリクエストセンサーや油圧バルブの電流などがあり、データを見ているといろいろな事が分かってくるので、故障等の診断をする上で役に立っています。

 

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