ランプ点灯の怪現象の原因はアース不良

ムルティプラのテールランプが異常な点灯をするとの事で修理しました。

現象としては、ブレーキランプが点灯するとその他のランプが暗く点灯する。
ウィンカーが点滅すると、その他のランプがその点灯と逆に点滅する。

なんだか怪現象みたいですね。
新しい車ではこんな事は無いと思いますが、少し年数がたった車では時々あります。

P1130873

 

コンビネーションランプ(テールランプ)の回路図はこんな感じ
配線_01

ブレーキやウィンカースイッチを入れる事で、左右のランプが点灯します。

 

この怪現象の原因はアース不良による現象です。
共通線(コモン)不良やアース浮きとも呼ぶ場合もあります。

今回のムルティプラのコンビネーションランプのコネクタもこんな感じでした。
(左から2番目の接点が焼けています。)
P1130878 P1130876

コネクタの接点が焦げてランプ側の接点のまわりも若干溶けていました。

コンビネーションランプを全て点灯させると、プラスから各電球から来た電流はアース側に流れます。ブレーキ、ウィンカー、バック、ポジション合わせて60Wだとすると、アース接点には5A流れます。
アース接点がわずかにゆるんでくると、接触抵抗が増え熱を持ち、さらに抵抗が増える。悪循環ですね。

 

アース不良が起きるとこんな感じになります。
配線_021

左コンビネーションランプのアース線が断線した様子です。
赤線がプラス側、青線がマイナス側、アース線が断線した事によって、ピンク線を通って他の電球に電流が回り込んでしまっています。

右コンビネーションランプの左電球は正常に点灯していますが、その他の電球はぼんやり点灯します。

 

わかりやすくするとこんな感じ。
配線_031

上側はアース不良によって他のランプに電流が回り込んでしまった回路です。

直列に電球を並べたので、1個当たりの電球にはワット数によって変わりますが6V以下の電圧しか掛からないので、暗くしか点灯しなくなります。
ここで、さらに他のランプを点灯させると回り込みの仕方が変わるのでさらに変な点灯をしてしまいます。
片側のみ暗く点灯しているヘッドランプは見た事ありませんか?これも同じ様にアース不良になります。

 

ちなみに交通信号機の車両灯器には3個の電球が付いてて、灯器あたり1本は共通(コモン)線になっています。この共通線が事故や工事中に外れると多くの灯器のランプが点灯してしまいます。車のテールランプが点灯しなくてもすぐには事故にはなりませんが、信号機の場合交差する灯器が一斉に点灯してしまい、直ちに事故につながる為、GG(青青)検出機能が付いていて、このような状況になると直ちに閃光(黄赤点滅)に切り替わります。

 

話は戻りますが、今回の修理ではコネクタの接点を磨いて直そうとしましたが、接点の金属が焼けて弾力を失っていて修理不可能でした。コンビネーションランプ側のコネクタもランプと一体式なのでランプ本体の取り替えしか修理できません。

新車と同じ状況に直すにはランプ交換やハーネス取り替えが発生し多額の費用がかかるので、今回はアース線にバイパスをかけて修理しました。状況が分かれば後は工夫をして直せますね。

 

ディーラーでは正規の方法やアッセンブリー交換等でしか修理しないようです。また原因のわからない修理では買い替えを勧めてくるようです。しかし、ガレージドッコ では技術と経験を生かし、中古品、並行品や創意工夫をして多額な費用をかけないで修理しますので、愛車のフィアットに不具合が出た時にはぜひご相談下さい。

 

QUBO DOBLO 500L PUNTO PANDA ABARTH ムルティプラ バルケッタ
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